となりは何を読む人ぞ

起業家、専門家、マニアなど気になる人の読んでいる本を紹介しています。

こうして世界観は生まれていく。布花作家、増山いづみさんの職人目線で選んだ本!

気になるあの人の読んでいる本が知りたい!

今回の気になる人は布花作家の増山いづみさんです。

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増山さんのアトリエ「ROSE+(ローズプラス)」には、彼女がデザインしたアートフラワー(アーティフィシャルフラワー)のブーケやアクセサリーなどが所狭しと飾られています。

その一角にあるこの布花は滋賀の伝統工芸「近江の麻」で作られたもの。

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増山さんの手により、花弁一枚一枚を丁寧にカットし、花弁のカーブは職人技のコテでクセ付けられています。

作られた布花はどれも麻の風合いがありつつ、繊細。このアネモネの他に、花の女王ローズ、小さな花々が可憐なアジサイ、春の代名詞パンジーなどのシリーズがあります。

増山さんのアトリエは滋賀県近江八幡市にある観光地「八幡堀」にあるので、是非お店に足を運んで手に取って見てください。

rose-plus.com

そんな、今人気のアーティフィシャルフラワーと伝統工芸をミックスさせ、まったく新しい布花を作る増山さんの発想が伺える、オススメしてもらった本を紹介します。

 

■ラ・フルールのコサージュ

ラ・フルールのコサージュ

ラ・フルールのコサージュ

初心者と中級者のためのコサージュのレシピ本。専用の道具を使わない方法から染色やコテを使った方法まで、本格的な作り方を「ラ・フルール」の世界観を通じて紹介します。

 

増山さん(以下敬称略):私、本ってあまり読まないんですよね……

こちょ:おっとぉ!初めからこのブログの趣旨の否定から入ってきましたね(笑)

増山:すみません(笑)私の中で本は「読んで」楽しむものじゃなくて「見て」楽しむものなんですよ。そういう意味ならご紹介できますよ。

こちょ:なるほど、よかった(笑)この本って、コサージュの作り方の本ですよね?この本をお手本に布のお花を作っているとか?

増山:いいえ、まったく(笑)

こちょ:まさかの2回目の否定! 

増山:本の表紙に惹かれて買ってみたのですが、欲しい内容の本ではなかったんですよ。

こちょ:ちょっと……(笑)こんな展開初めてです(笑)

増山:私の作る布花は自然の花をモチーフに作っているんですが、この本の花は創作の花で、しかも布以外で作っている花もあって……。かわいいけれど、今は作らないかな~と(笑)

こちょ:あー、なんかわかります。レシピ本見て「おいしそー」って思うけど、作らない感じですよね。

増山:そうそう(笑)しかも レシピ本なのに、見やすさとか作りやすさより、写真やデザインで表現される世界観が優先な本だと思います(笑)

こちょ:世界観ファースト(笑)

増山:こういうのを見ると 「そういうのもアリか~」と、視野が広がりますね。何度見ても楽しい!文章は読まないけど!!

こちょ:結局読んでないんですね(笑)

 

ラ・フルールのコサージュ

ラ・フルールのコサージュ

 

 

 

■雅姫のインテリアスタイル

雅姫のインテリアスタイル 心地いい空間の作り方

 

雅姫のインテリアスタイル 心地いい空間の作り方

モデルでデザイナーの雅姫さんの暮らしをまとめた本。アンティーク、海外雑貨、お花などをコーディネートする技がたっぷりと詰まっています。

 

こちょ:雅姫さんって増山さんのロールモデルですか?

増山:いいえ~(笑) 雅姫さんみたいになりたいわけでも、神格化もしていないですよ(笑)

こちょ:また出た~(笑)

増山:この方の暮らしに向き合う姿勢が好きなんです(笑)

こちょ:クラシニ ムキアウ? というのは?

増山:例えば、誰も見ないところを整然と整えたり、季節の花を飾ったり、しつらえを変えたり、家族の写真を飾ったり……。日々の暮らしを大事に丁寧に過ごしている姿勢かな。

こちょ:すみません、一個もできてません!

増山:忙しいとなかなか家にかまってあげられないですよね~(笑) 私も時々忙殺されると暮らしを二の次にしてしまいがちですが、この本を見ると、手をかけ時間をかけ生活を作り上げる大切さを確認できるので、思いとどまれます。

こちょ:うう、がんばります(泣)増山さんにとって理想の暮らしってなんですか?

増山:私は日常に手をかけ、時間をかけて丁寧に向き合うほど、季節の色や、ファブリックの手触り、お気に入りの家具の風合いに楽しみが見出せるタイプで……。究極は外に出ていきたくないって思える暮らしの場を作りこんでいきたいですね!

こちょ:めっちゃインドア!!

増山:そうですよ(笑)できればお気に入りの部屋やアトリエから出たくないですもん(笑)

 

雅姫のインテリアスタイル 心地いい空間の作り方

雅姫のインテリアスタイル 心地いい空間の作り方

 

 

 

■くまのがっこう おでかけブック シリーズ

おはなしだいすき (くまのがっこうおでかけブック)

おはなしだいすき (くまのがっこうおでかけブック)

大人気シリーズ「くまのがっこう」のおでかけブック。おでかけ先で楽しめるハンディサイズ。このおはなし本の他に、まちがいさがし、めいろなどを収録した本もあります。

 

増山:これ、大好きなんです!!

こちょ:だいぶんテイスト違いますけど……?

増山:好きなものは好きなんです(笑)背景の色とか、ジャッキー(主人公のくま)の洋服や小物に至るまで、練りに練られて作りこまれた世界がスゴイんです!!

こちょ:確かに、他の本にはない色合いですよね。薄いブルーに濃いピンクの帽子、しましまの洋服……一言でいうとおしゃれ。

増山:そうでしょ? 作家の「あだち なみ」さんのInstagram見たことあります?

 

あだちなみ - Instagram写真・動画(インスタグラム)


こちょ:わ、原画とか載ってるんですね!

増山:そうなんです!さらにこの絵具!この絶妙な色を出すまで幾通りもの色を調合して試すそうです!私も布花を染色したりするので、ひとつひとつの色に対して妥協をしないこの作家さんのこだわりも大っっっ好きです!!

こちょ:……今日イチの熱の入れ具合ですね(笑)くまのがっこうシリーズって人気ですよね。テレビでも「ルルロロ」が放送されていますね。

増山:あ、それはあまり見ないです。

こちょ:へ?くまのがっこうファンなのに?

増山:う~ん、嫌いじゃないし、キャラクターもかわいいんですよ。でもテレビだと色合いが……。くまのがっこうシリーズのえほんの色合いが好きなので、あまり興味が……。

こちょ:増山さんの見方が職人気質ですね(笑)

増山:職業病かも(笑)

 

おはなしだいすき (くまのがっこうおでかけブック)

おはなしだいすき (くまのがっこうおでかけブック)

 

 

読む本にさえ独特の職人気質を発動させる増山さん。

増山さんはもともと既製品のアートフラワーで作品を作る作家さんでした。

が、自分の世界観を突きつめ求め、既製品のアートフラワーを自ら染めることから始まり、今では滋賀の伝統工芸「近江の麻」から花弁を生み出し、染め、立体の布花に組み立てるまでに至りました。

そんな増山さんの世界観を楽しめるのがアトリエ「ROSE+」のInstagram

職人の腕が光る一品をぜひご覧ください。

www.instagram.com