株式会社いと 山崎いずみさんが選ぶ 子どもに伝えたい本、イタイ本、希望を与えてくれる本
気になるあの人の読んでいる本が知りたい!
今回の気になる人は株式会社いとの山崎いずみさんです。
山崎さんの 株式会社いと は現在、滋賀県で初のコワーキングスペース「Rootコワーキングスペース」の経営と、はちみつとエディブルフラワー(食用花)の販売業「IZUMI YAMASAKI」を展開中。
そんな、先鋭的かつパワフルな山崎いずみさんの起業のきっかけはご主人の度重なる不運なケガ。
当時、山崎さんは 3 人の乳幼児を抱えた専業主婦。今後もし主人になにかあって一人になっても金銭面でも子どもたちを育てられる自分でいたい と、起業を決意。
ご主人の不運が起業動機とは、なかなかネガティブ& 飛んでる発想。ちなみに、ご主人は幸運にも(?)ご健在です。
そんな山崎さんが真面目に選んでくれた本をご紹介していきます。
■幸福に死ぬための哲学
幸福に死ぬための哲学――池田晶子の言葉
日常の言葉で哲学の核心を伝えた、哲学エッセイスト池田晶子。目まぐるしく移り変わる時代の中、よりよく生きるための指針となる言葉を精選し、1冊にまとめた「言葉集」。
こちょ:のっけから ほのかにネガティブな雰囲気のタイトルなんですが・・・・・・。
山崎さん(以下敬称略):え、めちゃくちゃポジティブですよ!いつでも幸福に死ねるんですから!
こちょ:(笑)哲学ってなんだか難しくて、いにしえの偉人をイメージするのですが、この本の作者は違うんですね。
山崎:そうなんです。さらに言うと女性の哲学者ってあまり居られないと思います。
こちょ:そう言われれば、私も初めて知りましたね、女性哲学者。
山崎:いろんな哲学書を読んだのですが、どれもダラダラ長くて・・・・・・。この本の言葉はシンプルで心にスッと入るんですよ。
こちょ:本の帯に書かれている「悩むな、考えよ」で、すでにハッとしますね。
山崎:人と比べたり、自信がなくなると、いらない悩みでいっぱいになることってありますよね。この本を読むと、自分の中の価値観がお掃除されて、いらないものがそぎ落とされていくんですよ。
こちょ:確かに、人と比べて焦っている時って自分の精神状態良くないですよね。落ち込んだり、イライラしたり・・・・・・。
山崎:そうそう!それに、誰かに意地悪言われたりしても、ああ、この人は今こんな状況なんだとスルーできるようにもなりました。
こちょ:人間関係でいちいち傷つかない秘訣ですね。
山崎:古今東西の哲学者の名言で残っているほとんどが人間関係の悩みについてですからね。人間って昔から同じ事に悩んでるんですよ。
こちょ:老若男女問わずそうですね。
山崎:この本は哲学用語があまりなくて、中学生からでも読めます。子どもに伝えたい本です。
■社長のノート
2000社の赤字会社を黒字にした 社長のノート
生きる環境がどう変化しようとも、何事にも立ち向かい、挑戦する姿勢が求められます。誰もが立ち向かう課題をしなやかに乗り切るための法則や経験や事例をまとめている羅針盤のような書籍。
こちょ:哲学書の次はビジネス書籍ですね!この本はどんな本なんですか?
山崎:一言でいうと、苦しめられる本です・・・・・・。
こちょ:・・・・・・?
山崎:この本を読んで、会社経営が赤字になるのはちゃんとした理由があることが分かったんです。
こちょ:赤字、怖い言葉ですね。身に降りかかって欲しくない言葉です~!
山崎:私、やったものに対して達成感が薄くて・・・・・・。先の事しか見えない人なんですよ。投資とかすぐしちゃう。
こちょ:かっこいい~!
山崎:でも、その「先」にチャレンジしたり投資したりするには経営状態をしっかり見ないといけないとか、行き当たりばったりではダメだとか、イタイ言葉がやさしく書かれていて、それ故に苦しくなるんですよ。
こちょ:確かに、強く言われるとイラっとすることもあるけれど、やさしくたしなめられると泣けてきますね・・・・・・。
山崎:そうなんですよ~。何より、先人の教えって本当に貴重で。自分の足りないキーワードをメモして持ち歩いたり、達成感が薄い分、意識して毎日の成果をしっかりチェックしたりしています。
こちょ:すごい!ご主人、安心して死ねますね。
山崎:そう!主人がいつ亡くなっても、安心して生活できるように起業したのに、赤字経営では元も子もないので!がんばってます!!
■宇宙兄弟
宇宙兄弟(1) (モーニングコミックス)
幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄弟。弟は約束どおり宇宙飛行士となり。一方の兄は無職。そんなとき弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる! 本格兄弟宇宙漫画。
こちょ:おお~! マンガ来ましたね!! アニメも子どもと一緒に見てました!
山崎:このマンガ、とにかくすごくて。よく宇宙の話とか、葛藤に目が行きがちなんですけど、私にとっては癒しの本です。
こちょ:癒し? 「よっしゃ! やったろー!」的な鼓舞ではなくて?
山崎:人は生きていく上で良くも悪くも人とかかわっていきますよね。ストーリーの登場人物の間で交わされる、やさしい言葉がとにかく温かくて・・・・・・。これは人のやさしさに泣く本です。
こちょ:そんな見方はしてなかったですね。私にとっては発見です!
山崎:もちろん、いろんな読み方があっていいと思いますよ。でも、そういったものすべて含めて、この本は希望を見いたせる本だと思います。
こちょ:ああ~そうですね。確かに!また読みたくなってきた!!
山崎:やさしさに泣いてみてください(笑)
山崎さんは多くの本を読んでいる、いわゆる本の虫。時間があれば本屋さんへ出向き、気になる本を選んでいるそうです。
そんな山崎さんのDNAを受け継ぐお子さん3人ももちろん本が大好き。ブログで綴られる、山崎家のユニークな本棚事情も是非ご覧いただきたいです。